はじめに

『妖ノ宮』とは工画堂スタジオ様より発売されている乙女ゲーム(PC専用)です。
前作『パレドゥーヌ』に続く工画堂プリンセスシミュレーション第二段ということで、同じ世界の別の国・八蔓(ハチマン)を舞台とした和風の世界観です。もちろん、『パレドゥレーヌ』を知らなくても問題ありません。(私も未プレイです)

こちらでも簡単に説明していますが、世界観、あらすじ、キャラクター、システム、対応機種等の基本情報は↓の公式WEBサイトを参照してくださると分かりやすいと思います。
工画堂スタジオ『妖ノ宮』

『戯れの致し方』で基本攻略情報のヒントが載っているので、「まずは自力でやってみたい」「ネタバレが嫌だ」という方はそちらを見てやってみる方がよろしいかと思います。(当サイトでも重要なストーリーのネタバレはできるだけ控えていますが、「攻略」である以上どうしようもない部分がありますのでご了承ください)
無料体験版もあるので、まずはお試しください。


【ゲーム内容】   【目的】   【管理人レビュー】









ゲーム内容

稀代の英雄と称される神流河国の棟梁『覇乱王』こと神流河正義。天才的な軍略と強烈なカリスマで八蔓統一を間近としていましたが、ある夜、突然寝所が燃え上がり正義は嫡男と共に志半ばで命を落としてしまいます。
覇乱王の死後、遺された重臣・四天王たちはそれぞれ覇乱王の遺児を担ぎ上げ、次の神流河国の実権を握るための覇権争い『四天相克』がはじまります。

そんな覇乱王の遺児の一人の姫君が、このゲームの主人公でありプレイヤーキャラクターです。
妖を母に持つ『半妖』の姫は、城の奥でほとんど人目に触れることなく育てられていたため、その真実の姿を知る者はほとんどいません。故に、人々は彼女を畏敬と畏怖の念をこめて『妖ノ宮』と呼びます。
噂通りの恐ろしい妖なのか、心優しい普通の女の子なのか、真の妖ノ宮がどんな人物なのかはプレイヤーの心次第です。









目的

覇乱王の遺児として四天王の一人に担ぎ上げられた妖ノ宮の行動によって、神流河国及び八蔓の情勢が変わります。
後ろ盾に利用されるがままなのか、逆に後ろ盾を利用して覇権を握るのか、そんなことは放っておいて誰かと恋に落ちるのか……様々な結末(ED)が70種類あります。

キャラクターとの恋愛
キャラクターEDです。乙女ゲームですから、一応これがメインの筈。四天王、若四獅、四花撰、観察者、サブキャラクターとのEDがあり、内容は一部(本紀等)を除きほぼ恋愛EDとなっております。

権力の道を突き進む
メインストーリーに沿った目標として取引や脅迫等によって他のキャラクターを自派に引き入れたり、切り札を使用等で後ろ盾の四天王の勢力を上げて、四天相克に勝利します。

妖の道を突き進む
『妖力』を上げることによって相手を祟ったり、虜にしたり贄にしたり等様々なことができます。関連したEDもありますが、基本的に政権争いに連動する結果となります。(例えば「虜にする」はそのキャラが自派になるので、取引き等を使わない別のやり方として情勢を動かすことができます)

「何をしなければならない」という提示された明確な目的はありませんが、自分のしたいことのためにするべき行動を起こす必要があります。









管理人レビュー

管理人の個人的な独断と偏見と見解と感想を含めた解説です。(もうそれ解説なのか)
前作『パレドゥレーヌ』は(これを書いている時点では)未プレイなので、それとは比較しない方向でいきます。
参考のひとつになれば幸いです。体験版と併用して考えてください。(できるだけ多くの方にやってもらいたいとは願っておりますが……)



【システム】

ボリュームとしては若四獅・四花撰との恋愛がメインとなりますが、本筋は『四天相克(政権争い)』となるためシステム面では政権争いがメインとなります。
自由度が高く、本筋とは関係なくED条件が揃えば即EDとなるので、若四獅・四花撰とのEDで音声をちゃんと聞いても1時間前後あればクリアできます。四天相克勝利ED等はストーリー性はないので10分程度でクリアできます。

「シミュレーションが苦手・不安がある」という方でも、メインの八人(若四獅、四花撰)の恋愛ED攻略はただ会っていくだけでクリアできますので、キャラクター目的ならばほぼ問題ありません。
シミュレーション面が強いEDも、苦手な方は攻略サイトをご利用いただけるとクリアできると思います。



【ストーリー】

ストーリーに関してはあくまで『四天相克』が本筋なので、若四獅・四花撰をはじめとするキャラクターEDは直接本筋と関わらないサブストーリー的な感じです。(佐和人と四天王のキャラEDは別として)
ストーリーはそれほど長くなく、ひとつの“小咄”のような感覚で読めます。「こんな物語もあるよ」と。
仕様でしょうが(キャラクターの感情面に関する)詳細な表現はあまりされておらず、それをどう解釈するかはプレイヤー次第……という部分もあります。
ドラマチックで壮大なストーリー性やキャラクターとの甘〜〜〜い恋愛が何よりも大事、という主義の方には少し物足りないかもしれません。

逆に言えば「長いストーリーはダレる」という方はサクサクっと何周でもプレイできますし、少女マンガのような甘い恋愛が苦手という方も(他の乙女ゲームに比べれば)低糖なので性に合っているのではないでしょうか。
内容のイメージとしては乙女ゲームと言うより一般ゲームのマルチED恋愛要素(ジルオールとか)に近い感覚を受けました。
EDはハッピーなのもあればバッド的なもの、恐ろしいもの、暗いもの、「えー…(汗)」というようなもの……様々なジャンルがあります。

キャラルートだけではなく、様々なところにいちいち細かい萌えが散りばめられているので油断できません。
例えば、私はボリュームのあるキャラEDも好きですが、展開的には短くてもバッド的EDやちょっとしたイベントの方がグッと来るものがあります。
詳細な表現がされていない分、点と点の間の線にどんなことがあったのか、自分でいろいろと想像してみるのが醍醐味ではないでしょうか。妄想補完に関してはオイシイ要素があちこちに散りばめられているので、ある意味で「自分で紡ぐストーリー」なのかもしれません。



【キャラクター】

キャラクターの好みは人それぞれとなりますが、サブキャラを含めるとかなりのバリエーションです。
ただ美麗なキャラだけじゃつまらない!という方でも中年、爺さん、獣、半魚人等々、様々なジャンルが取り揃えられております。「十人の美形より一人の変り種」な私にとっては要素の多さが嬉しかったです。

参照していただければ分かると思いますが、声優さんは大変豪華です。ちなみに、購入すると『声優一言』(各声優さんの音声コメント)が入っています。(通常はダウンロード後「プログラム」→「Kogado」→「妖ノ宮」を開けばあると思います)

主人公妖ノ宮についてですが「どんな人物なのかはプレイヤーの心次第です」これ、そう比喩表現ではありません。
表情があまり変わることはなく、基本的に選択肢の台詞以外喋らないので、性格はプレイヤーが起こす行動次第ということになります。明らかに性格が違う選択肢が同じ場面に出たりしますので、それ一つとっても違う印象になります。
私の中でも妖ノ宮は5〜6パターンぐらいの性格イメージがあります。人を陥れてのし上がる覇者にもなれれば、虫も殺せない心優しい姫にも、人を虜にして喰らう妖にも。



【機能】

OS:Windows 2000/XP/Vista     CPU:800MHz以上
メモリ:128MB以上     ディスプレイ:800×600以上     空き容量:2GB以上

対応機種等の詳細に関しては公式サイトを参照してください。
私のノートPCはフロッピーが入るくらいわりと昔の方なんですが、ほとんどPCに負担がかかているような感じはせず、立ち上がりも一瞬でサクサク動きます。

そう言えば、わりと「回想モードがない」というのに不満を持たれている方がいるみたいです。(私は特に不便を感じませんでしたが)
セーブポイントが90もあるので、自由なところでセーブして回想の代わりにしろ、ということですかね。(セーブはほぼどのタイミングでもできます)
私は上部1〜10を通常のセーブ、90周辺の下部を回想編のセーブポイントにしています。セーブしているのは四天王キャラEDをルートに入った直後からパートを二つに分けてセーブ、それから佐和人ルートの会議イベント、あとは見るのに苦労した他派四天王と遺児の勝利時セリフのところを保存しています。(どんだけ四天王贔屓)



…………四天王の声とEDだけで6,980円(税込)の価値はあるとか思っている私の言うことなんであまり参考にはなりませんが(汗)、公式ウェブサイトに無料体験版があるのでとりあず「気になったら一度やってみてください」と言います。
壮大でドラマチックなストーリーやキャラとの甘い恋が何より大事!という方には胸張ってお勧めできないかもしれませんが、和風モノが好きだったり、変わり種や他には無い個性的なものを求めている方には一先ず勧めてみたいです。「壮大でドラマチック」要素が少ない分、かなりスピーディーにお手軽な気持ちでできますし、自由度が高く妄想補完に関しては(個人的に)他の追随を許さない勢いです。

……なんか怪しいセールスみたいな独断と偏見に満ちた見解ですみません。(汗)
客観性に欠けるとは思いますが、あくまで参考のひとつということでお願いいたします。